耳の穴の奥には鼓膜があり、鼓膜の外側は外耳道と呼ばれ、鼓膜の内側は中耳と内耳に分かれます。
その鼓膜の内側には鼻と耳をつなぐ耳管(じかん)と呼ばれる管があります。
耳管は通常は閉じているのですが、つばを飲み込んだり、せきやくしゃみをしたりすると開いて、鼻から耳に空気が入ります。(よくエレベーターなどで耳が詰まって、つばを飲み込む時がありますね。あれがまさに鼻から耳管を通して耳に空気が入っているのです。)
かぜをひいたいりして、細菌やウイルスに感染すると、黄色く汚い、いわゆる「青っぱな」が鼻の中にたまり、くしゃみやせきなどで瞬間的に耳管が開いた際、この汚い鼻水が耳管を通って耳に入ります。その結果、中耳で炎症が起きる状態、これが中耳炎です。
鼓膜に穴があいていない限りは耳の外からいくら菌や水が入っても中耳に入ることはありません。
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急性中耳炎 -
正常鼓膜
小さな子供さんでは39~40度まで熱が上がることもあり、耳に手をやったり、泣いたり、不機嫌になった場合には急性中耳炎を疑う必要があるでしょう。
乳幼児や小児では、鼻と耳をつなぐ耳管(じかん)は太くて短く、水平であるため鼻が出たり、炎症がのどにあればそれらの細菌やウイルスが広がりやすい状態となるので乳幼児のお子さんに発症が多くなるわけです。