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gastroesophageal reflux disease gastroesophageal reflux disease

胃食道逆流症による声がれ

GERDとは

胃食道逆流症(以下GERD:Gastoroesophageal reflux disease)は胃液や酸性の胃内容物が食道内へ逆流する病気です。
「胸やけ」や「げっぷ」などの症状が生じ、ひどい場合には食道粘膜がただれて、逆流性食道炎を来します。

  • GERDによる声がれ

    胃液などが食道より上部、すなわち喉頭まで上がってくると、喉頭の粘膜に炎症がおこり、のどの痛みや圧迫感をきたし、声帯まで影響が及ぶと声がかれてしまいます。
    また声帯に一見明らかな異常がない場合でも、実際には声帯がむくんでいたり、その周囲の炎症によって声がかれてしまいます。
    胃カメラなどで逆流性食道炎が認められず異常がない場合でも、喉頭まで胃酸が逆流していることは、しばしば認められています。
    GERDによる定型以外の症状を「食道外症状」といい、声がれや咽喉頭違和感の他にも様々な症状があります。


  • GERDの診断

    GERDの診断の基本は自覚症状であり、胸やけやのどの違和感、げっぷなどの症状をまとめた問診票と、喉頭ファイバースコープによる所見を総合して診断します。
    喉頭に肉芽腫と呼ばれる炎症性の腫瘤が認められる場合は、強くGERDが疑われます。

    また、40~50代の女性は、胃と食道の境目の逆流防止機能が低下することがわかっており、GERDの好発年齢と言えます。
    実際に胃酸の分泌を抑える薬剤を内服して頂いて、その症状の変化をみることも診断として有用な方法です。

  • GERDの治療

    声がれや声の出しづらさの原因としてGERDが考えられた場合は、GERDに対する治療をおこないます。

    生活習慣の見直し

    暴飲暴食をさけ、食事後すぐに横にならない、就寝前3時間以降に食事を摂らないなど食習慣の改善が重要です。
    甘いものやコーヒー、脂肪の取り過ぎには注意が必要です。上半身を高くして就寝するのも効果的なことがあります。

    薬物治療

    最もGERDに対し効果が高いと言われているプロトンポンプ阻害薬(PPI)が第一選択となります。PPIの効果が低い場合などは消化管改善薬を使用します。
    望月医師は消化管改善作用のある漢方製剤(半夏瀉心湯や六君子湯)の臨床研究における第一人者であり、その効果や使用法などについての論文を数多く発表しています。

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