たこ・魚の目

Callus and corn

たこや魚の目には皮紋と呼ばれる模様が刻まれています。
たこと魚の目の違いは下図のようになります。

たこや魚の目と間違いやすい皮膚疾患として、「いぼ」があります。
医療に従事していない方であれば見た目だけで、たこや魚の目といぼを見分けることは難しいです。特に、子供の手足にたこや魚の目のようなものが見られた場合は、なるべく早めにお近くの皮膚科を受診することをお勧めします。
子供の場合は大人よりも体重が軽いので圧迫による刺激が少なく、たこや魚の目は出来にくいからです。子供の手足に見られるたこや魚の目は、ウイルス性のいぼが原因である可能性が高いです。ウイルス性のいぼは、たこや魚の目と異なりウイルスが体内に感染 することによって出来ます。自己判断で対処することで悪化してしまう恐れもあります。

主な症状

た こ
症状
通常痛みはないが、大きさによっては痛む場合もある。
できやすい部位
足以外にくるぶしや手指にできやすい。
魚の目
症状
歩行時に強い痛みを感じる。また、押すよりもつまんだ方が痛みを感じることが多い。
できやすい部位
足底や足指、足と指の間。特に足の前半分と足の外側にできやすい。

この病気の原因は

たこや魚の目は肌の表面の角質が厚くなった状態です。
厚く硬い角質は、強い圧力が繰り返しかかった場合にできます。
たこや魚の目の原因は、外からの強い圧迫や摩擦、刺激に対する皮膚の防衛反応です。

たこや魚の目ができる原因はいくつか考えられます。


  • 足に合わない靴(大きさ・形など)
足のサイズに合っていない靴は、履いているうちに特定の部分が繰り返し摩擦や圧迫を受けるので、たこや魚の目ができる原因となります。特に体の重心がつま先に集中するハイヒールや、指同士が当たるような横幅が狭い靴は避けるようにしましょう。そのほかにも、足の骨の変形や異常がたこや魚の目の原因になることもあります。
開張足、外反母趾、ハンマー・トゥなどの足に変形がある場合、同じ部位が長時間摩擦や刺激を受けるので、たこや魚の目が出来てしまいます。正しい靴の選び方、靴の中で足が前後に移動しない履き方などを工夫することが重要です。

  • 歩き方や長時間の立ち仕事
歩き方の癖や姿勢の悪さが原因でたこや魚の目が出来ることもあります。がに股や、足を引きずる歩き方などは体重が足裏の一部にだけ集中してしまうので注意が必要です。
毎日、長時間の立ち仕事をしている方や、日常的に歩くことが多い方は、足に圧迫がかかることが原因でたこや魚の目が出来やすいです。

このように治療していきます

角質を除去する治療を行います。
硬く熱くなった角質部分をハサミやメスで削ります。場合によっては、角質軟化剤を使用して、角質をやわらかくしてから削り取ることもあります。
また、たこ・魚の目の下に潰瘍を形成することもあり、特に糖尿病を患っている患者様は細菌感染を起こして重症化する可能性があります。特に悪臭などがあるときは注意が必要です。こういった場合は丁寧に角質を除去し、潰瘍部分の洗浄と上皮化を施す処置をします。

【日常生活でのセルフケア】
◎ サイズの合う靴を選ぶ
抗ヒスタミン剤・抗アレルギー剤を用いる場合が一般的です。
◎ 歩き方を見直す
歩き方の癖を正しくすることで症状が改善されることもあります。
ご自身の歩き方が、前後左右のバランス良くできているか、
チェックしてみましょう。
こちらの記事の監修医師
医療法人坂本会 医師 飯 田 美 佐
平成9年北里大学医学部卒業、医師免許取得。
大学病院からクリニックまで20年以上にわたり数々の患者様の治療に従事。
平成30年より坂本クリニックに勤務、現在に至る。
所属:日本皮膚科学会
皮膚科勤務経験20年以上の実績をもとに患者様お一人おひとりの皮膚に関するお悩みに耳を傾け、お悩みの軽減および早期治療を心がけております。